スリッター刃の角度はどう決める?切断品質を左右する5つのポイントを解説

スリッター刃の角度はどう決める?
切断品質を左右する5つのポイントを解説を解説!
「角度が鋭いほどよく切れる」は本当?
スリッター刃を選定する際、「できるだけ鋭い角度の方が切れ味が良い」と考えられることがあります。
確かに刃先を鋭角にすると切断抵抗は小さくなります。しかし、実際の現場では鋭ければ良いというわけではありません。
刃先が鋭すぎると欠けや摩耗が早くなり、逆に鈍角すぎると切断抵抗が増えて切れ味が悪くなる場合があります。
重要なのは、加工条件に合わせて最適な角度を選定することです。
この記事では、スリッター刃の角度を決める際に考慮すべきポイントをご紹介します。
●ポイント1:切断する材料
切断する材料の素材や、厚さなど切断するものを考慮します。一例として、素材ごとの刃先先端角の傾向を紹介します。
機能性紙などは紙とフィルムの複合素材であったり、不織布の繊維の長さであったり素材の中でも特徴がありますので、実際はそれも考慮にいれます。
| 材料 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 紙 | 標準的な角度 |
| フィルム | 比較的鈍角 |
| 不織布 | 標準的な角度 |
| ゴム | 比較的鋭角 |
| 粘着材 | 比較的鋭角 |
※実際の最適角度は材料の種類や厚み、加工条件によって異なります。
●ポイント2:刃物の材質と大きさ
スリッター刃の材質がSKHなのか、超硬なのか、SKDなのかで変わります。一般的に超硬はチッピングが起こりやすいので刃先先端角は鈍角にすることが多いです。その際にはそれ以外の形状で切れ味を確保する必要があります。
大きさや刃物厚さも考慮します。これは刃物の真円がきちんと出てるか、刃物単体の剛性はどうか?ということが関係してきます。
●ポイント3:機械の剛性とラインスピード
機械の剛性というのは、稼働させたときにどのくらい振れや振動が発生するのか?を考慮します。ラインスピードも振れや振動に大きく影響するものです。剛性のあまりよくない(振動が発生する)機械などの場合は刃物のセッティングもそれに合わせた形になっていきます。
刃物は機械の一部品です。機械にとりついた状態で「切れる」ということを大切にしています。
●ポイント4:周辺部品とセッティング条件

ホルダーやシャフト、スプリングなどスリッター刃を取り巻く周辺部品も考慮します。スリッター刃がどのように動くかが重要です。
使用している周辺部品や切断しているものに影響してきますが、ラップ量や接圧などセッティングの条件も考慮します。
切断条件は別記事にも記載しておりますので、よろしければご参照ください。
● ポイント5:求めている切断品質
以外と忘れられているのが、求められる切断品質です。毛羽立ちを一切許されない最終工程の切断なのか、切り離せられてたら問題ない途中工程での切断なのか
といったことでも大きく変わります。これは切れ味と刃持ちをどちらをより求めているのかということにもなります。
適切な角度でないと起こるトラブル
角度が加工条件に適していない場合、次のような問題が発生することがあります。
- 切れ味が悪い
- 刃物の摩耗が早い
- 刃先が欠ける
- 切断品質が安定しない
- 生産性が低下する
これらの原因は角度だけではなく、材料や設備条件との組み合わせによって発生します。
こんな現象が起こっていたら、当社では5つのポイントをヒアリングしながら使用条件をトータル的に確認しながら刃先角を選定していきます。ただし要因が多いため適切な角度を一度では見つけることができないため、ご使用いただき検証しながらラインごとに適切な仕様と使い方を一緒に探していきます。
当社の改善事例で刃先角を明確に表記していないのは、ユーザー様毎に、もっと言うとライン毎に切断物、機械の条件、周辺条件、求められる品質等が異なっているので、「〇〇°が最適です」ということが言えないのです。
御社のスリッターの角度は最適ですか?一度違う角度も試してみて確認してみてもいいかもしれませんね。
スリッターの改善事例の一部をご紹介します









