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粘着物を切断するときに起こりやすいトラブルと対策

 

粘着物を切断するときに起こりやすいトラブルと対策

養生テープやクラフトテープ、付箋など、紙やフィルムに粘着剤が付いた材料を切断していると、刃物への糊の付着に悩まされることがあります。

糊が刃物に付着すると、徐々に切れ味が悪くなったり、刃持ちが悪くなったりすることがあります。また、糊が切断面に付着することで、製品の仕上がりに影響する場合もあります。

こうしたトラブルが起きたとき、「糊が付着するからコーティングをしよう」と考えることもあるかもしれません。

しかし、粘着物の切断では、なぜ糊が多く発生・付着しているのかを確認してから対策を考えることが重要です。

今回は、粘着物を切断するときに起こる糊の付着について、対策を考える際のポイントをご紹介します。

●まずは、切れ具合を確認する

 刃物への糊の付着が多いとき、まず確認したいのが現在の切れ具合です。

 粘着物を切断すると、切断時に糊が軟化・溶けるなどして、刃物に付着することがあります。その原因は一つではありませんが、

 刃物の切れが悪い状態では、必要以上の力を加えて切断することなどにより、糊の発生や付着が増える場合があります。

 そこで、まずは切断物の仕上がりを確認します。

 例えば、

    • きれいに切断できているか
    • 切れ残りがないか
    • 切断面に異常がないか
    • 使用後の刃先がどのような状態になっているか
    • どのタイミングから糊の付着が多くなるのか

 などを確認します。

 特に、「最初から切れが悪いのか」「最初は切れているが、使用しているうちに切れなくなるのか」という違いは、対策を考えるうえで重要です。

●切れ味が悪ければ、まず切断状態を改善する

 確認した結果、切れ味そのものが悪い場合は、まず良好な切断状態をつくることから考えます。

 刃物の切れが悪いまま、糊を付着させないための対策だけを行っても、根本的な改善にならない場合があります。

 切断する材料や方法に合わせて、

    • セッティング
    • 刃先角
    • 刃物形状

 などを見直し、できるだけ良好な切断状態をつくります。

 切れ味を改善するための具体的な考え方については、これまでの技術コラムでも紹介していますので、こちらをご覧ください。

  >>>「刃物屋から見るスリッター刃を使用した切断のポイント」

●切れているのに糊が多い場合は、摩擦や抵抗を減らす

 「切断物の仕上がりを見る限り、切れはそれほど悪くない。それでも糊が多く付着する」

 というケースもあります。

 この場合は、刃物と切断物との摩擦や抵抗を減らせないかという方向から検討します。

 例えば、

    • 刃物と切断物との接触面積を減らす
    • 刃物形状を見直す
    • 研磨面の面粗度を見直す

 といった方法があります。

 粘着物には、原紙が紙のものもあればフィルムのものもあります。また、スリッターのようなハサミ式の切断と、コアカッターや断裁包丁などの押切でも、

 具体的な対策は変わります。

 そのため、「何を切っているか」だけではなく、「どのような刃物で、どのように切っているか」まで確認することが大切です。

●発生した糊を刃物に付着させにくくする

 切れ具合や摩擦・抵抗を確認したうえで、もう一つ検討するのが、発生した糊を刃物に付着させにくくすることです。

 その方法の一つとして、付着防止を目的としたコーティングがあります。

 ただし、粘着物を切断しているからといって、必ずしもコーティングが最初の対策になるわけではありません。

 その理由として、コーティングは刃物の性能向上はできますが、表面にコーティング層を乗せるため短期間で交換・再研磨する刃物には不向きで

 修理に費用と納期がかかる場合があるからです。

 そのため、切断する材料や切断方法、糊の付着状態などを確認したうえで、適した対策を選択することが重要です。

 コーティング以外にも、研磨面の面粗度などを見直すことで、糊の付着を抑えられる場合があります。

 コーティングの種類や特徴については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

    >>>「工業用刃物によく使われるコーティングについて」

●粘着物の切断は、原因を見極めてから対策を

 粘着物の切断で糊の付着が増えてきた場合、対策を考える流れを整理すると次のようになります。

 糊の付着が多い
   ↓
 切断物の仕上がりや刃先の状態から、切れ具合を確認する

 切れが悪い場合
  → まず切れ味を改善する

 切れはそれほど悪くないのに糊が多い場合
  → 摩擦・抵抗・接触を減らす方法を検討する

 さらに必要に応じて
  → 発生した糊を刃物に付着させにくくする方法を検討する

 このように、同じ「刃物に糊が付く」というトラブルでも、切断状態によって対策は変わります。

 実際の現場では、切れ味が原因なのか、摩擦や抵抗が影響しているのか、あるいは付着を抑える対策が必要なのかを見定めることは簡単ではありません。

 三有研器では、切断する材料だけでなく、刃物形状や切断方法、切断後の製品の仕上がり、使用後の刃先の状態などを確認しながら改善方法を検討しています。

  「刃物に糊が付着してすぐに切れなくなる」
  「清掃する回数を減らしたい」
  「切断面への糊の付着を減らしたい」

 など、粘着物の切断でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

粘着物付着の改善事例の一部をご紹介します


>>>「粘着物が付着する」の改善一覧はこちら

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