再研磨品質検査体制について

再研磨において上手とはどこを見る?
当社の検査体制を紹介
当社が行っている再研磨加工は修理・メンテナンスなので、新品と全く同じ状態に戻すということは困難です。しかし、再研磨加工の刃先仕上がりを安定化させることこそ、長期間にわたり商品製造を安定的に行うカギとなります。そのそのため、当社では品質基準と出荷ルールを定めて、お客様に少しでも安心してご利用いただけるように努めております。
一方で刃先の仕上がり状態は図面にも明記されない経験値や感覚値の要素が多く、まだまだ数値化できない部分が大きいのも事実です。私たちの取組の一部を紹介します。
1:検査方法
①寸法検査
②触感検査(官能検査)
③目視・顕微鏡検査・光検査
大まかなに分けて上の3点があります。それぞれについて詳しく説明します。
①寸法検査
検査の最も一般的なものです。
ノギス、マイクロメーター、分度器等を使用して必要箇所の測定を行います。測定したい寸法にあった検査道具を使用するため、サイズによって測定器具の大きさも変わってきます。
その他長尺の平刃についてはスキミゲージ等を使用して反り(ソリ)を検査する場合もあります。
また、検査器具はきちんとした測定ができているかを調べて測定器具自体の定期的なメンテナンスも必要です。

マイクロメーター ダイヤルノギス デジタルノギス
②触感検査(官能検査)
触感検査が研磨加工の検査において一番特徴的です。実際に触った感触で合格かどうかを決めていきます。刃付け研磨においてよく使われる検査を2点紹介します。
・爪検査
通称「つめけん」と呼ばれるものです。爪を刃先に軽く当ててスライドさせていきます。これは刃欠けの有無とバリ残りを調べています。
爪をスライドさせていくので、押し当てる微妙な力加減が重要です。また、バリの有無も調べるので感覚を研ぎ澄ませないといけません。
特にバリ残りで気になる点は指の腹を使用して確認したりもします。
熟練者が調べると顕微鏡を使用する以上に細かいバリまで発見します。
※「バリ」とは金属を加工した時に材料の端や表面にはみ出た「余計な出っ張り」や「ギザギザ」のことです。「返り(かえり)」とも言います。
・髪検査
刃物で髪をなでるようにして、引っ掛かり具合をみます。これはきれいな刃がたっているかを確認していきます。
研磨時にバリを取りすぎると刃先が丸くなってしまいますが、爪検ではわかりにくい部分なので、髪を使用しています。
どちらも、感覚的な検査であること、体の一部に刃物を押し当てて検査になるため、今後は違う検査方法を模索・研究しています。
ただ、人間の感覚は本当にすごく、熟練技術員の速さと正確性(違いを見分ける能力)は驚きです。
この触感検査が会社の技術力に大きく影響しているものと考えています。
③目視・顕微鏡検査・光検査
目視は外観や大まかな検査になります。顕微鏡について少しふれます。
刃先をより詳細に検査する場合に顕微鏡を使用します。
当社ではデジタルマイクロスコープを導入しています。

デジタルマイクスコープ

拡大して目視していきますので、細かい部分まで確認でき、仕上がりの証明として活用できます。
これにより部分的な測定も可能です。
光検査は、平刃において「反り」を測定します。刃物を基準面に合わせて後ろからライトを当て、光の漏れ具合で「反り」を検査します。
これも高精度を必要とする刃物で行うことがあります。
2:当社の研磨体制について
当社では、研磨担当者と検査担当者の2名が検査をし、できるだけ安定した品質維持に取組んでいます。
・研磨担当者による検査
研磨担当者は基本全数検査を行います。製品、加工によって検査項目は様々ですが、一枚ずつきちんとしあがっているかを確認しながら加工していきます。
・検査担当者による出荷検査
一般的には抽出による触感検査を行っています。お客様のご要望とする精度によって抽出割合や検査項目が変わってきます。
ご要望によって検査表の提出なども行っています。
当社の検査は寸法や画像など数値化や共有化できるものもありますが、まだ触感検査でお客様との信頼関係で成立している部分が大きいです。
その信頼を裏切らないためにも、当社では「感覚の共有」を大切にしています。
それぞれの担当者の感覚の違いが大きいと、人によって合格基準が変わってしまいます。それをゼロにすることは難しいですが、できるだけ同じ感覚にする訓練をしています。
品質の証明を必要なところと加工担当者を信頼いただいてるところ、どちらも大切にしながら安心してお使いいただける研磨加工にしていきたいと考えております。









