工業用刃物の種類や選定のポイントをプロに学べる

工業用刃物なび

工業用刃物の取り扱いをする上で
知っておきたい技術コラム

工業用刃物の商社・
特注メーカーが手掛ける
刃物選定のための技術コラム集

フィルム用平刃の研磨修理について

フィルム用カットの種類と刃物の特徴

包装用フィルムやラベル、高機能フィルムを切断する場合の平刃についてお話いたします。製袋用刃物と呼ばれてることもあります。

フィルム切断用平刃は、はさみ式(移動刃・固定刃)で切断する場合、シャフトに取り付け回転式で切断する場合があります。回転式の中でも片方を固定する場合と両方回転する場合に分かれます。生産量やラインにおける切断工程の位置によって使い分けられており、機械メーカーの設計者は本当に頭が下がります。

切断方法によって刃物形状や仕様も様々あります。一見しただけでは違いがわからな部分ですが、刃角やしのぎ角(2段目の角度)刃裏面の逃げ角など細かな部分でそれぞれにあった仕様に調整されています。また、素材の違いやロー付品(※)か全鋼品かでも切断に差がでますし、取り付け穴の数や形状でも差が生まれることもあります。

※ロー付品:刃先部分の素材とその他の部分で素材が違うものです。刃先部分のみ硬度が高い特殊鋼が使用されています。

 

再研磨品は新品と同じ性能か?

再研磨加工を行っているものとして、100%新品同様の性能に戻すこと、またそれ以上にすることをいつも目指しております。

しかしながら、実際は同仕様の場合厳密に100%復元することは難しいことが多いです。その理由は①加工方法の制約②使用の際に発生した傷や歪③その他の制約が挙げられます。以下でもう少し詳しく述べたいと思います。しかし加工業者は様々な努力で生産に影響でない範囲にまで復元させることでユーザー様の費用対効果を高めることにつなげております。

①:加工方法の制約

再研磨品は一度機械に取り付けるために完成品にしたものの再加工になります。したがって取付や駆動によるご使用上の理由から、寸法があまり変わってはいけない部分がでてきます。そのため加工してはならない部分があるため、傷や摩耗が残る場合があります。

②:使用の際に発生した傷や歪

摩耗や傷が大きいと研磨では取り切れない場合があります。取り切ってしまうと、使用回数が大幅に減ったり、使用できない寸法になってしまう場合

は、弊社ではユーザー様とご相談の上、研磨量を決定しています。ご使用の際には少しお手間ですが、早めに交換されるとトータルでは刃物は長期間使うことができます。

また、フィルム切断用平刃においては歪が大きな課題となります。歪はやもともとある金属の応力や製作時に発生した応力が経年劣化で出てきてしまい発生します。写真は長尺の平刃ですが大きく歪が発生しております。このようになると取付が困難になりますし、研磨時に平行度がでなくなります。ご使用の際にも切れ残りが発生する要因となります。

状況によりますが、歪を少なくすることが可能な場合もありますので、ご相談ください。

③その他の制約

加工は可能ですが、費用対効果が合わない等で新品同様の加工を行わない場合もあります。

 

フィルム用平刃の再研磨に関する当社のサービス

①:再研磨加工

基本的には現状と同じ角度で再研磨して、刃付けを行います。研磨前の摩耗部分をなくし、きちんとした刃をつけていきます。長さと角度によりますが、平行度は0.1以下で行います。使用条件によって、加工面で注意するところが違いますので、使用方法や切断物などをヒアリングさせていただき、ユーザー様にとって費用対効果が出るように加工方法を検討させていただきます。

②:仕様変更提案

機械のご購入当初と切断物が変わったり、切断条件が変わる場合は多々あります。新素材や新商品を切断する場合など今までうまくいってたものがうまくいかない場合があります。刃物の角度や面粗度の仕上がりで製品品質や生産性が変わることが多くあります。テスト研磨をさせていただきながら、生産によりよい条件を一緒に見つけていきたいと考えています。また機械や周辺部品の経年劣化で切断精度が出ない場合もあります。ぜひ一度お気軽にご相談ください。

フィルム用平刃を使用した切断でよくご相談いただくお困り事とは?

当社には、これまで多くのお客様から多岐にわたる用途の刃物に関するお困り事のご相談をいただいてきました。その相談ごとというのは、刃物の長寿命化や切れ残りの抑制、切断面の品質向上を求めるニーズなどそのご要望は多岐にわたっています。

下記では、その一例をご紹介しています。詳しくは下記をご覧ください。

□ 製袋用刃物への切れ残り防止・長寿命化提案 >>>詳しくはこちら

フィルム関連刃物の種類~

当社では、フィルム関連刃物は平刃以外でも取り扱い実績が多数あります。

フィルム用関連刃物 一覧はこちら>>>

製袋用刃物

製袋用刃物

こちらは、工業用刃物なびを運営する三有研器が提供したフィルムの切断を行うための製袋用カッター刃です。

本製品のサイズとしては800Lとなっており、材質としてはSKH51+SS400を素材としています。

規格品の刃物では、切断不良を起こすような場合における特注刃物の製作ニーズのある方は、当社にお問い合わせください。

>>>詳しくはこちら

 

お問合せ・ご相談・サンプル申しこみはこちら

新着技術コラム

平刃各部の名称の紹介(紙加工・不織布加工・フィルム加工)

  刃物の基礎知識~カッター平刃編~  紙加工・不織布加工・フィルム加工業者の皆様にはおなじみのカッター刃。ラインと垂直方向に加工物を切断する際によく使用される刃物です。非常に幅広いカテゴリーになるため、ここでは平刃でよく使われる図面用語などを中心にご紹介させていただきます。打合せではよく耳にする言葉、「それって何?」とは今更聞きづらいこともあると思います。当社が使用している言葉(違...

スリッター刃各部の名称の紹介(紙加工・不織布加工・フィルム加工)

  刃物の基礎知識~スリッター編~  紙加工・不織布加工・フィルム加工業者の皆様にはおなじみのスリッター刃。ライン方向に加工物を切断する際使用するには最もポピュラーな刃物ではないでしょうか。打合せではよく耳にする言葉、「それって何?」とは今更聞きづらいこともあると思います。ここでは当社が使用している言葉(違う呼び名もあるかもしれません)を主にご紹介します。また、配置換えや新入社員で初...

刃物によく使用される材質について

現在ご使用になられている工業用刃物の素材をご存じでしょうか。また、どんな素材があるかご存じでしょうか? 刃物に適切な素材を選定することは「切れ」や「刃持ち」に大きく影響する要素の一つです。 読むと改善のヒントになるかもしれません。今さら聞きづらい基本的なことを中心にお伝えします。 刃物用材質の分類は? 刃物に使われている材質は、鋼材の中では「特殊鋼」に分類されます。特殊鋼とは、用途...

包装用フィルム用打ち抜き刃選定のポイント(フィルム加工)

主製品としてフィルム加工をされている方はもちろん、包装用としてフィルム加工をされている方も「穴をあける」工程はよくあるのではないでしょうか? 今回はそのフィルムに対する穴あけ加工用の打ち抜き刃についてご紹介いたします。   打ち抜き刃の種類と特徴 切断物・打ち抜き形状 特徴 注意点 ①パンチ・ダイ 1枚ずつの加工、 小型の単純形状が得...

研磨加工設備のご紹介

再研磨とは 工業用刃物を使用するとだんだんと磨耗していきます。再研磨加工は磨耗した刃先を研磨することで、切れ味を回復させることです。 厳密には再研磨加工を行っても、100%新品と同じ状態に戻すことはできません。当社を含めた研磨加工会社は様々な工夫でできるだけ切れ味を回復する努力をしております。 刃先を加工ができるため、既存の刃物を利用し、切断条件にあった刃先形状にすることで手軽に...

超硬刃物の素材選定のポイント(紙・不織布・フィルム製造)

超硬ってよく聞くけど、実際どんなものなの?そんな人はぜひ読んでみてください。 読むと改善のヒントになるかもしれません。誰も教えてくれない素材選定のポイントまでお教えします。 超硬とは? 刃物に使われている超硬とは、WC(炭化タングステン)を Fe、Co、Niなどの鉄系金属で焼結したものを超硬合金と呼んでいます。もう少し簡単に言うと・・・タングステン(W)というレアメタルをコバルト(Co)...

スリッター刃による切断のポイント(紙加工・不織布加工・フィルム加工)

  刃物屋から見るスリッター刃を使用した切断のポイントを解説!  紙加工・不織布加工・フィルム加工業者の皆様にはおなじみのスリッター刃。ライン方向に加工物を切断する際使用するには最もポピュラーな刃物ではないでしょうか。実際にご使用いただいている現場の技術者の皆様の方が当然ご使用方法はよくご存じなのは承知の上で、刃物屋からみるポイントをご紹介したいと思います。いつもとは違った角度から、...

フィルム加工における切断のポイント

  フィルムがうまく切れない原因 フィルム加工における切断方法といっても様々な方法があります。 使用刃物も多岐にわたります。スリッター上下刃(丸刃)、レザー刃、カッター平刃、パンチなどです。 どの方法においても共通して言えることは「フィルムの変形を如何に減らすか」ということです。フィルム加工に携わっている皆様には当たり前のことかもしれませんが、これが本当に難し...

フィルム用平刃の研磨修理について

フィルム用カットの種類と刃物の特徴 包装用フィルムやラベル、高機能フィルムを切断する場合の平刃についてお話いたします。製袋用刃物と呼ばれてることもあります。 フィルム切断用平刃は、はさみ式(移動刃・固定刃)で切断する場合、シャフトに取り付け回転式で切断する場合があります。回転式の中でも片方を固定する場合と両方回転する場合に分かれます。生産量やラインにおける切断工程の位置によって使い分けられ...

フィルム用レザーカット刃について

フィルム用カットの種類 包装用フィルムやラベル、高機能フィルムを切断する場合どのようなものをお使いでしょうか?大きく分けて下のような切断方法があります。 ライン方向:スリッター上下刃(丸刃)をすり合わせて切断、レザー刃を使用した空中カット ラインと垂直方向:平刃によるはさみ式切断もしくはロータリ切断、鋸刃による押切 その他:パンチ、ダイを使用した打ち抜き 今回はその中でも...