工業用刃物の種類や選定のポイントをプロに学べる

工業用刃物なび

工業用刃物の取り扱いをする上で
知っておきたい技術コラム

工業用刃物の商社・
特注メーカーが手掛ける
刃物選定のための技術コラム集

超硬刃物の素材選定のポイント(紙・不織布・フィルム製造)

超硬ってよく聞くけど、実際どんなものなの?そんな人はぜひ読んでみてください。

読むと改善のヒントになるかもしれません。誰も教えてくれない素材選定のポイントまでお教えします。

超硬とは?

刃物に使われている超硬とは、WC(炭化タングステン)を Fe、Co、Niなどの鉄系金属で焼結したものを超硬合金と呼んでいます。もう少し簡単に言うと・・・タングステン(W)というレアメタルをコバルト(Co)を糊として使い、他の金属をほんの少し混ぜて特色を出したうえで、押し固めたものです。

超硬と一言で言ってますが、その種類は多く超硬メーカーごとにも成分が微妙に違っています。

 

超硬の特徴

①:硬い

まず、一つ目の特徴として、名前の由来でもある硬度の高さです。本当に「チョー(超)硬い」です。そのため耐摩耗性は抜群ですが、靭性が悪いという一面もあります。つまり欠けやすかったり、折れやすいという欠点もあります。

②:さびにくい

主成分であるタングステンはさびないものなので、超硬自体もさびにくいという特徴があります。ただし、糊として使用しているCo(コバルト)や特色を出すために入れている物質は金属なので、さびないとは言えません。あくまで、SKDやSKHなどの鉄が主成分の合金に比べるとさびにくいということです。

これに関しては、耐食性の高い超硬もありますので、食品や衛生用品を製造されている方は使用用途によっては耐食用超硬もお勧めいたします。

③:高価

主成分であるWがレアメタルなので、素材自体は非常に高価です。Wは国内では採掘できない上にCoなども電子部品の原料の一部ということもあり相場や国際情勢の影響を受けやすい素材です。素材メーカーの企業努力で抑えていただいている部分はありますが、値段が変わりやすい素材ではあります。

 

超硬の種類と選定のポイント

わが社が多種多様な超硬素材の何を見て選定しているか?特別に一部公開したいと思います。

まず初期段階で見る項目は、「粒子径」「硬度」「抗折力」です。構成成分はメーカーの企業秘密ですし、メーカーによって公開している情報も異なります。

ただ、この3項目はほとんどのメーカーが公表しています。

粒子径

WCの粒子径で「普通」「微粒子」「超微粒子」に分けられます。その上で粒子径の中で硬度によって材種が分けられます

硬度と抗折力

抗折力とは折れにくさのことです。

硬度はHRA88~92が一般的です。硬度が高いと耐摩耗性は高くなりますが、耐衝撃性は悪くなり、欠けやすくなります。

粒子径 硬度 特徴
普通超硬(G種等) HRA88~HRA92 超硬の中では安価。もっともよく使われる。
微粒子超硬  HRA88~HRA92 普通超硬に比べ高硬度で耐衝撃をあげられる
超微粒子超硬  HRA88~HRA92 高硬度で抗折力が高く、シャープエッジが必要な場合にはお勧め

切断条件

素材選定で最も重要なのは、「切断条件」です。超硬を使用することで高い耐摩耗性を得たとしても、使用上衝撃に耐えられないと元も子もありません。

また、刃物単体が長寿命化しても相手側(アンビルロールや周辺部品)が短命化したり故障の原因になってもいけません。したがって、材質選定でもっとも大事なことは

刃物単体で考えず、上下刃セットで考えたり、周辺部品や切断条件含めトータル的に考えることだと思います。

 

下記では、使用用途に合わせてご提案した一例をご紹介しています。詳しくは下記をご覧ください。

□ 不織布用カッターの錆防止事例 >>>詳しくはこちら

 

超硬カッターの製品一覧

超硬カッター製品一覧はこちら>>>

 

超硬レザー刃の製品一覧はこちら>>>

現状をもっとよくされた、欠けが発生するなど気になる方はお気軽にご連絡ください。

 

お問合せ・ご相談・サンプル申しこみはこちら

新着技術コラム

超硬刃物の素材選定のポイント(紙・不織布・フィルム製造)

超硬ってよく聞くけど、実際どんなものなの?そんな人はぜひ読んでみてください。 読むと改善のヒントになるかもしれません。誰も教えてくれない素材選定のポイントまでお教えします。 超硬とは? 刃物に使われている超硬とは、WC(炭化タングステン)を Fe、Co、Niなどの鉄系金属で焼結したものを超硬合金と呼んでいます。もう少し簡単に言うと・・・タングステン(W)というレアメタルをコバルト(Co)...

スリッター刃による切断のポイント(紙加工・不織布加工・フィルム加工)

  刃物屋から見るスリッター刃を使用した切断のポイントを解説!  紙加工・不織布加工・フィルム加工業者の皆様にはおなじみのスリッター刃。ライン方向に加工物を切断する際使用するには最もポピュラーな刃物ではないでしょうか。実際にご使用いただいている現場の技術者の皆様の方が当然ご使用方法はよくご存じなのは承知の上で、刃物屋からみるポイントをご紹介したいと思います。いつもとは違った角度から、...

フィルム加工における切断のポイント

  フィルムがうまく切れない原因 フィルム加工における切断方法といっても様々な方法があります。 使用刃物も多岐にわたります。スリッター上下刃(丸刃)、レザー刃、カッター平刃、パンチなどです。 どの方法においても共通して言えることは「フィルムの変形を如何に減らすか」ということです。フィルム加工に携わっている皆様には当たり前のことかもしれませんが、これが本当に難し...

フィルム用平刃の研磨修理について

フィルム用カットの種類と刃物の特徴 包装用フィルムやラベル、高機能フィルムを切断する場合の平刃についてお話いたします。製袋用刃物と呼ばれてることもあります。 フィルム切断用平刃は、はさみ式(移動刃・固定刃)で切断する場合、シャフトに取り付け回転式で切断する場合があります。回転式の中でも片方を固定する場合と両方回転する場合に分かれます。生産量やラインにおける切断工程の位置によって使い分けられ...

フィルム用レザーカット刃について

フィルム用カットの種類 包装用フィルムやラベル、高機能フィルムを切断する場合どのようなものをお使いでしょうか?大きく分けて下のような切断方法があります。 ライン方向:スリッター上下刃(丸刃)をすり合わせて切断、レザー刃を使用した空中カット ラインと垂直方向:平刃によるはさみ式切断もしくはロータリ切断、鋸刃による押切 その他:パンチ、ダイを使用した打ち抜き 今回はその中でも...

粉砕機用刃物・破砕機用刃物の調達のポイントと再研磨

粉砕機用刃物・破砕機用刃物とは? そもそも、粉砕機用刃物・破砕機用刃物とは、何でしょうか?粉砕機用刃物・破砕機用刃物というのは、資源のリサイクルとゴミの削減を目的とした取り組みが活発に行なわれていますが、いずれにしても体積を出来る限り小さくした方が有効活用できます。そこで活躍する刃物が粉砕刃と呼ばれるもので、対象物の材質や形状、使用環境等によりお客様からの要求は異なります。 ペットボトルや...

不織布カッターのよくある不具合対策と、コストダウン調達のポイント

本コラムはこのような方にお勧め! ①:設備導入期から約6か月が経過し、刃物のメンテナンス・新規購入が必要という方へ ②:当初の素材・商品から変更となり、切断がうまくいかないとお悩みの方へ     実は「調達コストが高くつく!」「うまくいかない!」 不織布カッターの調達方法とは!? ①:刃物の商社・刃物の研磨会社から調達することで最適な刃物調達が可能! 最...

刃物の種類と使い方

刃物の種類とは? 刃物選定なびでは、様々な刃物の取り扱いを行っています。 工業用刃物に携わるすべての皆様にご理解いただきたい、刃物の種類と使い方について、こちらではご紹介をいたします。 刃物は形状と切方によって分類されます。形状は、丸刃、平刃とそれ以外。切り方はハサミ式、押切、空中カットです。 下記では、当社がこれまで取り扱い実績のある刃物の形状・切り方・その種類についてお伝え...